少し前に LAMY AL-star の引っかかり解消という内容の記事を書きましたが、今回は Platinum Century #3776 です。

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 できることなら、金ペンには手を加えたくなかったですね。素人が自分で調整すべきものとは思ってません。プロの手に任せるべきものでしょう。
 何が問題だったかというと、引っかかるのです。とっても。しかも私の #3776 は中字です。最初はペンポイントが荒れていて紙との摩擦が強いのかなと考えていたのですが、紙を引っかいていることが分かりました。こうなると書いていてもまったく楽しくありません。

 そこで、電車で行ける距離の場所でペンクリニックが行われるということだったのでもっていきました。ペンドクターとしてはかなり高名な方に見ていただくことになりました。待ち時間1時間半です。どのような高名な方かお察しいただけるかと。
 ようやく回ってきた私の順番。症状を説明させていただきました、はっきりと「引っかかる」と。で、どのような方法で解消していただけるのかとても期待しました。恐らく素人などには及ばないような高度なテクニックで引っかかりを解消してくださるに違いない.........。
 やっていただいたのは、耐水ペーパー(番手は不明)の上でペンポイントをクルクルと回すおなじみの処置でした。しかしながらそこはプロ、こんな単純な動作でも神の手によって引っかかりを解消してくれているに違いない、と期待しました。高名なペンドクター曰く「全然違いますよ」。期待に胸膨らませて試し書きしてみました...............はい、「『全然』変わりません」と心の中でつぶやきました。期待が大きかっただけに高名なペンドクターに面と向かって「変わらない」と声に出して言うことはできませんでした。
 持ち帰って自宅でいつものように書いてみましたがやはり引っかかります。さてどうするか。金ペンとはいえ、書いて楽しくないペンを無理して使ったり、そのまま使わず飾っておくのも不毛ですし、意味がありません。意を決して自分で調整することにしました。

 やり方は前回の LAMY AL-star に施したのと同じ要領です。
 まずはルーペでペンポイントを観察します。
 1 ペンポイントは左右でずれてないか?
    ずれてませんでした。さすが Platinum の金ペン。
 2 ペンポイントに紙を削るような成型不良はないか?
    これもなさそうです。さすが (以下略)
 3 ペンポイントのスリットのエッジの様子は?
    エッジが立っているようには見えませんが、丸くもなってません。

 何度か角度を変えて書いてみて、やはりスリットのエッジに問題がありそうと判断しました。

 ネットでいくつか引っかかり解消方法の記事を探しましたが、やはりスリットのエッジを研磨するのが王道のようです。ただし、研磨の仕方には色々あるようです。それらの方法も試してみたのですが思ったように研磨できず、結局、私には自分で考えた方法がぴったりでした。

 前回同様、スリットにラッピングペーパーを挟み込んで、スリットのエッジを削るようにペンポイントを紙に押さえつけながら前後に動かして削ります。今回は、#4000 ラッピングペーパーのみを使いました。何度か研磨と確認を繰り返してようやく納得のいくていどにまで引っ掛かりを解消できました。

 最終的なスリットのエッジですが、ルーペで見ても研磨できているのかできていないのかわからないほどでした。微妙なエッジが引っかかっていたと思われます。

 という次第で、私はやむにやまれず自己責任で金ペンの調整を敢行しましたが、お勧めはしません。
やはり、まずはペンクリニックに持っていくべきでしょう。