今回のブツは LAMY swift です。
swift には見た目 300系 のリフィル LM66 が入っています。が、ゲル J/K/L型のリフィルがそのまま使えるケースは少ないようです。net 上では、Pilot の Juice up 用リフィルが改造無しで swift で使用可能という情報もあります。その辺りも含めて確認したいと思います。
まず Juice up 用リフィルですが、情報通り無改造で swift での使用が可能です。
swift はノック時のストロークが長い(約11mm)ので、入れようとするリフィルにそのストロークを許容する条件が必要です。その "条件" とは、「リフィル後端から100mm より先の径が 2.62mm 以下であること」です(どのように条件を導き出したかについては後述)。
Juice up はリフィル先端部が独特の形状をしており、リフィル後端から99mm より先が直径 2.50mm 以下なので条件クリア。無改造で使うことができます。
Juice up 以外にも無改造で使えるリフィルがあります。OHTO の C-305 です。これぞ 300系 水性 A型。C-305 は、リフィル後端から 95mm より先は直径 2.3mm で、これも条件をクリア。
水性 LM66 から水性 C-305 にすることにも意味はあるかと思います。値段とか。
swift に無改造で使えるリフィルは、私が確認できた範囲ではこれら2種類になります。
ここで、どのように "条件" を導き出したのかということを説明します。
net 上に、「Pilot LG2RF/LP2RF が、リフィル後端のキャップを外すことで swift で使える」という情報を見つけました。Pilot LP2RF は、Pilot Juice 用のリフィルです。確かに、LP2RF の後端キャプを外すと swift でノックできるようになります。キャプを付けたままでも辛うじてノックできることもありますが、外した方が確実です。なので、この LP2RF のキャップを外す/外さない が swift でノック出来る/出来ないの境界であると認識しました。

swift に LP2RF キャップ付きを入れて、どこが引っかかってノック出来ないかを考えてみると、先端チップをリフィルに繋いでいるプラの部分が swift 先端部の穴を通らないから引っかかる、すなわちノック出来ないということがわかります。このプラ部分がノック時のストロークを 11mm 以下に制限している原因ということになります。
そこで LP2RF の後端キャップを外して後端から先端チップを繋いでいるプラ部までの長さを測ると丁度 100mm となります。
LP2RF キャップあり
すなわち、リフィルの後端から 100mm より先が swift 先端部の穴を通ればノックできることになります。swift オリジナルのリフィル LM66 の径は 2.62mm ですので、リフィルの後端から 100mm より先が 2.62mm よりも細ければ、先端部の穴を通ることになります。
以上から、「リフィル後端から100mm より先の径が 2.62mm 以下であること」が、swift で使えるリフィルの条件となります。LP2RF では、リフィル後端のキャップを外すことによってこの条件に合うようにしていることになります。
しかしながら、リフィル後端のキャップを外した状態では、リフィル全体の長さも短くなるので、
リフィル後端のキャップを外してノック出来たとしても、ノック後に出るペン先は少々短くなります。見た目も美しくありません。キャップを付けた状態でノック出来れば、ペン先は適切な長さが出ますし、見た目も美しいです。
そこで次は、ノック出来ないリフィルを後端を切らずにリフィル全体の長さを保ったままノック出来るようにする方法を考えます。LP2RF はひとまず置いておいて、別のリフィルで確認します。
そのままでは swift でノック出来ない Pentel の エナージェル用リフィル(LR5, LRN5 など)を swift で使えるようにしてみました。
LRN5 の後端からチップを繋いでいるプラ部までは 102.5mm あります。従って LRN5 を swift に入れてノックしても十分なストロークが得られず、ノック出来ません。
この 102.5mm を 100mm 以下にします。が、リフィル後端は切りません。切らない理由は、前述の通りペン先が十分出なくなり、美しくないからです。
ではどうするかというと、プラ部の先を直径2.62mm 以下となるように削ります。
という次第で、エナージェルのリフィルも swift で使えるようになりました。
削り方は、鉛筆をカッターで削るようにプラ部の先を少しずつ削いでいきます。一度に削ろうとせず、少しずつ削っていくのがうまくいくポイントです。
以上のように、チップの接続されているプラ部の先 2mm 程度を削って 2.62mm 以下にすれば、大抵の 300系 リフィルは swift で使えるようになりそうです。ただし、この削る作業はリフィルを使えなくしてしまうリスクもありますので、そのリスクを負ってまでそのリフィルを使いたいかどうか十分に考えてから実行に移してください。
私は、サラサのリフィルを削ろうかと思いましたが、結局途中でやめてしまいました。サラサのリフィルを削っている最中にチップがグラついてきました.......。何事も十分な事前検討と、場合によっては深みにハマる前に撤退を......。
最後に。
この swift、ご存知の通りなかなか複雑なノック構造をしてまして、数回ノックするとクリップ部分が引っ掛かるようになってしまいます。私の swift も10回ほどノックすると、引っ掛かるようになってしまいました。そんな時は、クリップの下にノズルを突っ込んでシリコンスプレーを極々少量吹き付けます。0.3秒以下で噴射を終えるくらいのつもりでスプレーすると良いかと思います。これで、引っ掛かることもなく、ノックできるようになりました。