No Pen, No Life

ボールペン改造と万年筆(素人)調整

改造

LAMY safari ballpoint (ボールペン) の refill ゲル化

 ずっと放置しておりました。
飽きてしまったというのもありますが、これといったネタもないので書く気力も起きませんでした。が、ここへきて LAMY safari ballpoint の改造案を思いついたので、記録のためにも書いておきます。言わば、自分のための忘備録です。

 今回のブツは LAMY safari ballpoint (ボールペン) です。 


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 LAMY safari rollerball (refill は M63, M66)は、言っちゃなんですが、簡単に J,K,L 系の refill を入れられるので、改造というほどのことをすることもなく、私としては醍醐味を感じられません。一方、LAMY safari ballpoint は M16 という LAMY 独自仕様の refill を使っており、先の部分がJ, K 系より細く長い形状をしているため J, K 系の refill では safari の口金を通すことができません。下の写真の赤矢印で示した「肩」の部分が口金に入りきらないためノックしても refill のチップ部分が口金から出てこ無いのです。


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 口金の内部をドリルなどで削れば J, K 系を使えるのかもしれません(やったことはありません)。しかしながら、私の改造の縛りとしては「改造は可逆改造に限る」としています。すなわち、いつでも改造前のオリジナルの状態に戻せることを条件にしています。その理由はいくつかありますが、例えば、改造したけど改造後の状態が気に入ら無いので元に戻したい、とか、改造後により良い改造方法が見つかったので改造前の状態に戻してから再度改造したい、などです。という次第で口金の内部を削るという選択肢は取りません。
 また、代替え refill として Pilot BRFN-30 を使えば口金を広げる必要なく LAMY M16 を置き換えられそうですが、BRFN-30 も油性インクであることに変わりはないので私の目指すゲル化とは異なります。

 ということで、方向性としては、「口金そのものの置き換え」を考えていました。元の LAMY safari ballpoint の口金を外してそれは保管しておき、別の口金を使えば元の状態にいつでも戻せる、ということです。LAMY safari ballpoint を2本買ってその一本の口金の改造部品として使えば簡単なのですが、1,000円を超える本体を改造部品として追加購入するのは躊躇します。できるだけ安く改造するところに意味があるのです(たぶん....)。

 という次第でずっと改造部品として適切なサイズの口金を探していたのですが、なかなか見つかりませんでした。細すぎず、太すぎず、安価でいつでも手に入るような口金。というかそのような条件に合う口金をもった安いボールペンをずっと探していました。
ところが、この条件に合うボールペンが 2021/11/5 に発売されていたのです。それがこれ、サラサナノ。


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 この口金であれば念願の LAMY safari ballpoint 改造に使えそうです。実際のところは口金の本体にはめ込む部分の形状を確認する必要があります。太すぎる形状はどうしようもないのでその時点で諦めますが、少々細い分にはなんとかできるという確信がありました。しかもひょっとすると口金部分が簡単に外せ無い構造になっていたりするとさらに厄介です。とにかく買って確かめるしかありません。お値段、定価で税込 220円。口金とリフィル代金だと思えば安いです。全く別のペンで交換部品として口金だけを 500円程度の値段をつけてたりしますので、それと比べれば十分安価と言っていいでしょう。

 で、肝心の口金ですが、力を入れて左に回せば簡単に外すことができました。はめ込み部分の径も LAMY safari ballpoint よりもやや細くてちょうどよさそうです。これを LAMY safari ballpoint にはめ込んでいきます。


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 LAMY safari ballpoint に合わせるには、マスキングテープを一周分巻くとちょうど良い感じになりました。


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 余分なマスキングテープはカットします。


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 いよいよこの口金を本体にはめ込んでいきます。
とは言っても元々合わないものを無理矢理はめ込むので、キチンと入るとは言い難いですが、なんとかはめ込むことができました。


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 この状態で、口金は本体から 15mm 程度でています。この長さが LAMY safari ballpoint のオリジナル refill の口金の出ている長さと同じです。サラサナノでは口金は 14mm 程度出ているので、サラサナノに合わせるならもう 1mm 程度入れ込む必要があります。

 次に今回使用する ゲル refill を用意します。今回は、Pentel EnerGel を使います。
J, K, L 系の refill をそのまま入れるには長過ぎるので、末端を切って短くする必要があります。私の好みのチップの出具合では 9mm 程度短くするとちょうど良いようです。長めに出るのが好みの方はまず 7mm 程度短くしてから後は好みに合わせて微調整していただくのがよろしいかと思います。


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 注意点がありまして、この口金のはめ込み具合が緩いとノックしているときに口金が外れてどこかに飛んで行ってしまう可能性があります。実際、ノックしているときに口金を飛ばしてしまったこともあります。また緩過ぎると口金が本体に入り込みすぎる可能性もあります。逆にキツ過ぎると元の口金を入れるために切ってある本体のネジが削れてしまって、元の(オリジナルの)口金がキチンと入らなくなり「可逆改造」から外れてしまう可能性もあります。無理せず適切なはめ込み具合を探りながらはめ込んで下さい。私も3回くらいはマスキングテープの巻き具合を調整しながら試行錯誤しました。


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 これで念願の LAMY safari ballpoint のゲル化改造完成です。見た目は少々違和感がなくもないですが、元々別のものを合体させているのでそこは妥協するしかないでしょう。クリップがシルバーの LAMY safari ballpoint を使えば見た目の違和感が和らぐかもしれません。LAMY safari ballpoint の "White" だとさらに違和感がなくなるかと。

 見た目はさておき、これで J, K 系のゲル refill が使えるようになったので、私としては満足です。サラサ refill は当然のこととして使えますし(元がサラサナノの口金ですから...)、Pentel Energel refill, 三菱鉛筆 Uni refill なども使えます。

 同じ理由(元がサラサナノの口金)で、Pilot の JUICE, JUICE up などの L 系 refill はそのままでは使えません。しかしながら、サラサナノの口金の系を精密丸ヤスリで広げれば Pilot の JUICE, JUICE up などの L 系 refill を使えるようにすることは可能です。サラサナノは元から交換部品として用意したものですので、ここに「改造は可逆改造に限る」という条件を課す必要はありません。部品はさらに手を加えて目的の仕様に近づければ良いのです。


 以上ですが、同じ改造を試みて失敗しても私は責任を取れませんのでご注意ください。最悪の場合、LAMY safari ballpoint を一本無駄にしてしまう、くらいの覚悟でお願いします。


LAMY safari/Al-star で Platinum Preppy Nib を使う 〜完成編〜

 以前、Platinum Preppy の Nib を改造して LAMY で使えないかという試みをご紹介しましたが、前回は、 Nib の改造だけで実際に LAMY に載せ替えるだけの度胸がありませんでした。実は、今でもその度胸はないのですが......

 しかしながら、載せ替えたら実際にどうなるのかという確認ができる環境を整えたので、ご紹介します。

 結果です。

IMG_6668

 ペン芯に Platinum Nib が載ってます。
 実はこのペン、LAMY safari ではありません。所謂中華万年筆の LAMY safari コピーです。細かくは safari とは異なりますが、パッと見は safari です。
 さらにペン芯も元々このペンで使われていたペン芯ではなく、中華製の補修部品を手に入れてそれを使っています。
 それでも、LAMY safari で載せ替えればこんな感じになるのだという参考にはなります。


IMG_6669


真正 LAMY safari と比べてみました。載せ替えに使った中華ペン芯が奥まで入りきらずに少々飛び出てますが、 Platinum Nib の短さをカバーしてバランス的には悪くないかと思います。ただやはり短い分、ずんぐりした印象になりますね。


 裏はこんな感じです。

IMG_6670


 中華ペン芯の先を、Platinum Nib のペンポイントと干渉しないように 1mm ほど削ってます。また、上から見た際にペン芯が Platinum Nib の横からはみ出して見えないようにペン芯の先の左右も削り込んでいます。

 インクを入れて使ってみました。書き味は Platinum そのものですが、safari のガイド(親指と人差し指の当たる窪み)があることで、Platinum と safari のいいとこ取りしたような感じになりました。Platinum の 02 Nib を使えば LAMY safari では得られない極細の万年筆となりますし、応用は色々考えられます。
 ただし、LAMY safari にこの改造を施すのは度胸が必要ですので、そこだけハードルが高いです。

ダイソー万年筆の遊び方

これまでも何度かダイソー万年筆を取り上げましたが、色々改造している他のダイソー万年筆もまとめてご紹介します。

IMG_6633

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これまでに買ったダイソー万年筆は合計4本。全て白軸です。見た目が同じなのでマステなどを貼って区別できるようにしています。ここでは、とりあえず上から #1 〜 #4 としておきます。以下、それぞれの詳細です。


#1

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すでにご紹介済みのボールペン化したものです。

初めて買ったダイソー万年筆だったのですが、インクフローが悪くて、ドバドバ出るのと全く出ずに掠れるの繰り返しで、何とかしようとしてペン芯を痛めてしまい、万年筆としての使用は諦めボールペン化しました。その顛末は前述の通りです。

今ならペン芯を何とかインクフローの良い状態に出来ると思いますが、当時は知識もスキルもなくペン芯を痛めてしまいました。こうした失敗を繰り返して知識もスキルも上がってます。そういう意味で、108円で買える万年筆はありがたいです。失敗しても懐が痛みませんから。


#2

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これもご紹介済みのスタブ化したものです。

以前ご紹介した通り、机の上から落下してペンポイントを曲げてしまい、元に戻そうとしてペンポイントを割ってしまいました。ダイソー万年筆は落として曲げてしまったら元には戻せないようです。その際は、スタブ化が一番お手軽で使い出があろうかと思います。


#3

IMG_6638


これには、JINHAO の Nib が付いてます。

JINHAO の LAMY safari もどきを持っていたのですが、キャップを閉めようとしたと際に Nib の片側だけがキャップに引っ掛かってしまい、見事に曲がってしまいました。 Nib の左側が前を向き、右側が上を向いている状態になってしまいました。しばらく放っておいたのですが、どこまで戻せるかチャレンジしてみようと思い、色々やってみたところある程度戻せたのと、ちょっとした太字だったので、太字 Nib として復帰させました。Brillo Nib と違って、ペンポイントが割れることは無かったです。

元の #3 Nib は、ペンポイントが左右アンバランスだったので、左を削って細字 Nib となり、今は保管してます。


#4

IMG_6639


DAISO の Brillo Nib が付いていますが、この Nib は元々は #1 に付いていたものです。

では、元の #4 Nib はどうなったかというと、以前ご紹介した Concorde Nib になってます。


以上のように、最終的に使えなくなっても懐が痛むことがないので、スキルを磨くにはダイソー万年筆は最適です。また、正直言ってダイソー万年筆に当たりはないので、すなわちどれを買っても必ずハズレを引くことになるので、何らかの手を加える必要があります。そういう意味でも万年筆調整のスキルを磨くには最適のチョイスとなります。

LAMY風プラチナ用コンバーターの作成

LAMYなんだかプラチナなんだかよくわからないタイトルとなっていますが、別の表現をすると
「見た目は LAMY の純正コンバーターに見えるけど、使えるのはプラチナの万年筆、という変態コンバーター」
を作ってみました。

作り方は簡単.....三行で説明できます。
 1. プラチナのインクカートリッジから”口”のパーツを取り出す。
 2. 中華万年筆に付いてたりする LAMY風(出来損ないコピー)コンバーターの”口”付近を輪切りにする。
 3. 2.の輪切りにしたコンバーターに 1.のパーツをはめ込む

出来上がりはこの様になります。

conv_000


当然ながら何の問題もなくプレピーに挿せます。

conv_preppy_e


インクを吸い上げるとこんな感じで使えます。

conv_preppy_f


三行で説明しましたが、コツもあるので詳細を説明しておきます。

まず、インクカートリッジから”口”のパーツを取り出す手順ですが、以下のようにすれば2〜3分程度で取り出せます。
まず、青線の部分に切り込みを入れます。切ってしまう必要はありません。カッターを使って深さ0.5mm 程度の傷をつけるくらいのつもりで切り込みを入れます。この切り込みは後で入れても良いのですが、この段階でやっておくとやり易いのでまずやっておきます。

conv_Blue


次に、赤線の部分を輪切りにします。”口”のパーツの端から数ミリ離れたところを輪切りにします。

[conv_Red]

conv_Red


輪切りが終わったら、黒線の部分に切れ目を入れます。先程の青線の切り込みに合わせるように切ります。

conv_Black


切れ目の左右をラジオペンチで掴んで引っ張るようにしてカートリッジを引き裂きます。

conv_P2


conv_P3


conv_P4


さらに切り裂くと”口”のパーツが簡単に取れるようになります。

conv_P5

conv_P6


もう一つの構成要素「中華万年筆に付いてたりする LAMY風(出来損ないコピー)コンバーター」
は、こんな見かけのものです。

conv_cnv01


LAMY純正コンバーターを使っても良いですが、お高いのでこうしたお遊びには不向きかと思います。
LAMY純正コンバーターを使うくらいならば純正のプラチナ用コンバーターを買えば良い話ですし。
ということで「LAMY 風(出来損ないコピー)コンバーター」を使います。
別の安価な中華コンバーターでも良いのかもしれません。プラチナの”口”のパーツが入るだけの太さが必要なので太いものが望ましいのですが、太過ぎると今後は"口"のパーツが緩く入って、コンバーターを首軸から抜く時に"口"のパーツだけ首軸に残ってしまうという事故も起こりかねません。"口"のパーツが何とか押し込める程度の「LAMY風(出来損ないコピー)コンバーター」が最適かと思われます。

輪切りにするとこんな感じになります。

conv_cnv02

conv_cnv03


この輪切り部分に取り出したプラチナの”口”のパーツを挿しこみます。
少々力づくで入れる必要があるので、その点ご注意ください。最悪割れる場合がありますし、使っているうちに割れることもあろうかと思います。そういうこともあるという点を認識しておいてください。
一方、簡単に入ってしまうようでは首軸からコンバーターを抜く際に"口"のパーツだけ首軸に残ってしまうという事故が起こる可能性もあります。割れない程度に力づくで押し込める、という程度がちょうど良いです。

で、完成です。

conv_LPl

注意
⒈ コンバーターが割れて”口”のパーツのみ万年筆側に残ってしまうという事故が起こる可能性があります。
使用は、替えのきく Preppy などのみとしてください。間違っても Century #3776 などで使用しないように。
⒉ 万が一、コンバーターが割れて”口”のパーツのみ万年筆側に残ってしまった場合、次のような方法で”口”のパーツを取り出せるかもしれません。まず、別途新たな「LAMY 風(出来損ないコピー)コンバーター」を用意して、同じように”口”付近を輪切りにします。輪切りにした部分を万年筆内部に残ってしまった”口”のパーツに押し込みます。その後ゆっくりとコンバーターを抜けば”口”のパーツを掴んだまま抜くことができるかもしれません。
3. 万が一、"口"のパーツだけ首軸に残ってしまったら、"口"のパーツの外側と首軸との隙間にゼムクリップの"U"の部分を押し込んで、勢いよく引っ張ると取れるかもしれません。取れない場合は潔く諦めましょう。諦められる Preppy などでの使用が望ましいかと思います。

LAMY swift のリフィル交換

 今回のブツは LAMY swift です。

swift_
swift


 swift には見た目 300系 のリフィル LM66 が入っています。が、ゲル J/K/L型のリフィルがそのまま使えるケースは少ないようです。net 上では、Pilot の Juice up 用リフィルが改造無しで swift で使用可能という情報もあります。その辺りも含めて確認したいと思います。

 まず Juice up 用リフィルですが、情報通り無改造で swift での使用が可能です。
swift はノック時のストロークが長い(約11mm)ので、入れようとするリフィルにそのストロークを許容する条件が必要です。その "条件" とは、「リフィル後端から100mm より先の径が 2.62mm 以下であること」です(どのように条件を導き出したかについては後述)。
Juice up はリフィル先端部が独特の形状をしており、リフィル後端から99mm より先が直径 2.50mm 以下なので条件クリア。無改造で使うことができます。

swift_Jup_01

swift_Jup_02

 Juice up 以外にも無改造で使えるリフィルがあります。OHTO の C-305 です。これぞ 300系 水性 A型。C-305 は、リフィル後端から 95mm より先は直径 2.3mm で、これも条件をクリア。

swift_C305_00

swift_C305_01

 水性 LM66 から水性 C-305 にすることにも意味はあるかと思います。値段とか。

 swift に無改造で使えるリフィルは、私が確認できた範囲ではこれら2種類になります。
 

 ここで、どのように "条件" を導き出したのかということを説明します。
 net 上に、「Pilot LG2RF/LP2RF が、リフィル後端のキャップを外すことで swift で使える」という情報を見つけました。Pilot LP2RF は、Pilot Juice 用のリフィルです。確かに、LP2RF の後端キャプを外すと swift でノックできるようになります。キャプを付けたままでも辛うじてノックできることもありますが、外した方が確実です。なので、この LP2RF のキャップを外す/外さない が swift でノック出来る/出来ないの境界であると認識しました。

swift_LP2RF_00

 swift に LP2RF キャップ付きを入れて、どこが引っかかってノック出来ないかを考えてみると、先端チップをリフィルに繋いでいるプラの部分が swift 先端部の穴を通らないから引っかかる、すなわちノック出来ないということがわかります。このプラ部分がノック時のストロークを 11mm 以下に制限している原因ということになります。
 そこで LP2RF の後端キャップを外して後端から先端チップを繋いでいるプラ部までの長さを測ると丁度 100mm となります。

swift_J_noC_100
LP2RF キャップ無し


swift_J_wC_100
LP2RF キャップあり

 すなわち、リフィルの後端から 100mm より先が swift 先端部の穴を通ればノックできることになります。swift オリジナルのリフィル LM66 の径は 2.62mm ですので、リフィルの後端から 100mm より先が 2.62mm よりも細ければ、先端部の穴を通ることになります。

swift_LM66_262

 以上から、「リフィル後端から100mm より先の径が 2.62mm 以下であること」が、swift で使えるリフィルの条件となります。LP2RF では、リフィル後端のキャップを外すことによってこの条件に合うようにしていることになります。

swift_J_nock_noC
LP2RF キャップ無し

swift_J_nock_wC
LP2RF キャップあり

 しかしながら、リフィル後端のキャップを外した状態では、リフィル全体の長さも短くなるので、
リフィル後端のキャップを外してノック出来たとしても、ノック後に出るペン先は少々短くなります。見た目も美しくありません。キャップを付けた状態でノック出来れば、ペン先は適切な長さが出ますし、見た目も美しいです。

 そこで次は、ノック出来ないリフィルを後端を切らずにリフィル全体の長さを保ったままノック出来るようにする方法を考えます。LP2RF はひとまず置いておいて、別のリフィルで確認します。

 そのままでは swift でノック出来ない Pentel の エナージェル用リフィル(LR5, LRN5 など)を swift で使えるようにしてみました。

 LRN5 の後端からチップを繋いでいるプラ部までは 102.5mm あります。従って LRN5 を swift に入れてノックしても十分なストロークが得られず、ノック出来ません。
この 102.5mm を 100mm 以下にします。が、リフィル後端は切りません。切らない理由は、前述の通りペン先が十分出なくなり、美しくないからです。
ではどうするかというと、プラ部の先を直径2.62mm 以下となるように削ります。

swift_EG_pp

swift_EG_cut

swift_EG_nock

 という次第で、エナージェルのリフィルも swift で使えるようになりました。
削り方は、鉛筆をカッターで削るようにプラ部の先を少しずつ削いでいきます。一度に削ろうとせず、少しずつ削っていくのがうまくいくポイントです。

 以上のように、チップの接続されているプラ部の先 2mm 程度を削って 2.62mm 以下にすれば、大抵の 300系 リフィルは swift で使えるようになりそうです。ただし、この削る作業はリフィルを使えなくしてしまうリスクもありますので、そのリスクを負ってまでそのリフィルを使いたいかどうか十分に考えてから実行に移してください。
 私は、サラサのリフィルを削ろうかと思いましたが、結局途中でやめてしまいました。サラサのリフィルを削っている最中にチップがグラついてきました.......。何事も十分な事前検討と、場合によっては深みにハマる前に撤退を......。


最後に。

 この swift、ご存知の通りなかなか複雑なノック構造をしてまして、数回ノックするとクリップ部分が引っ掛かるようになってしまいます。私の swift も10回ほどノックすると、引っ掛かるようになってしまいました。そんな時は、クリップの下にノズルを突っ込んでシリコンスプレーを極々少量吹き付けます。0.3秒以下で噴射を終えるくらいのつもりでスプレーすると良いかと思います。これで、引っ掛かることもなく、ノックできるようになりました。

swift_siliconoil

 なお、CRC-556 はお勧めしません。シリコンスプレーをお使いください。

LAMY safari/Al-star で Platinum Preppy Nib を使う

 今回は不可逆改造ですので、後戻りはできない改造となります。

 まず、LAMY Safari/Al-star ですが、その Nib のペンポイントの太さは EF = F = M とも言われています。
 私も 太さ M 並みの EF Nib Safari を所有しています。バラつきと言ってしまえばそれまでですが、Safari/Al-star の Nib は概して太目と言ってよいでしょう。
 がしかし、Safari/Al-star で Platinum, Pilot, Sailor 並みの EF Nib を使いたいという欲求もあろうかと思います。今回はその欲求を満たすべく、Safari/Al-star で日本製並みの EF Nib を使うための改造です。

 方法は2つあるかと思います。
   1. Safari/Al-star の Nib を研いで、真の意味での EF あるいはそれよりも細くしてしまう。
   2. 日本製万年筆の F or EF Nib を safari/Al-star で使う。

 "方法 1." は誰でも思いつくことですし、net 上で探せば実際にやっている例も見つかりますので、ここは敢えて "方法 2." で行きたいと思います。
 その方法は Preppy の Nib を safari/Al-star で使えるようにする、です。
 実は、どこかの Web で「Preppy の Nib を Safari で使っている」という文章を読んだことがあります。文章だけで実際の写真などは見たこと無いのですが、確かに Preppy のNib を見てみると、Safari/Al-star の Nib に似通った特徴があります。
  ・ Nib が直線的に形成されている。
  ・ Nib をペン芯に挟みこむような構造で、Nib 全体が露出している(首軸に入る部分が無い)

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20181107_03

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 何とかなりそうです。(撮影には事情により Preppy の 03 Nib と 05 Nib が混在しています)
 そこで、Preppy Nib を safari/Al-star のペン芯に入れようとすると、

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入りません。

 まず、ペン芯に密着させるための Preppy Nib の両側の「爪」と言っていいんでしょうか、その「爪」の間隔が safari/Al-star のペン芯に対して狭すぎます。そして、その「爪」がペン芯を挟み込むにはペン芯との間に隙間がありすぎます。
 ですので、修正方向としては、Preppy Nib の「爪」の部分を横に広げると同時に、高さ方向を低くします。やりかたは、ペンチで「爪」を挟みながら、力任せに「拡げて、低くする」を実行するだけです。



 なんとか、できました。

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 Nib に多少歪ができてしまいましたが、何とか修正できました。
 これを safari/Al-star のペン芯に入れると、ちょうど良い具合に入ります。

20181107_08

20181107_09


 ただし、長さ方向にはペン芯のほうが長いですし、上から見るとペン芯が Nib からはみ出て見えます。そこで safari/Al-star のペン芯を削り...............ません。safari/Al-star の改造はさすがに躊躇します。
 しかしながら、見た目さえ妥協すればこのままでも使用は可能です。Nib をペン芯に対して少し前方向に出せばペン芯が紙に当たることなく筆記することも可能です。とことん改造するなら、ペン芯を削るしかなさそうですが。

 という次第で、Safari/Al-star のペン芯を削る手前までの改造でしたが、 Preppy の Nib を改造すれば LAMY Safari/Al-star で使えることが確認できました。Preppy Nib は 03, 02 とかなり細いペンポイントの Nib がありますので、比較的安価に Safari/Al-star を極細万年筆として使用することが可能となります。

無印ボールペン(アルミ軸)のリフィル交換 ゲル化

 無印良品にアルミ軸のボールペンが売られています。www.muji.net では、「アルミ六角ボールペン 0.7mm・黒・ニードルタイプ」490円 となっています。

20180828_muji_before


 おそらくこの軸、OHTO の OEM と思われます。リフィルは OHTO の No.897NP ですか。
 写真上が 無印に入っていたリフィル。下が別の OHTO OEM 品に入っていたリフィル。下側のリフィルには OHTO No.897NP と刻印されています。

20180828_muji_ohto_x2


 NP は Needle Point の略で、ペン先(チップ)部分が針のように細くなっていて、筆記の際にペン先が紙に接触している箇所が見やすくて良いのですが、油性インクということもあってかペン先のコントロールがうまくいかず、字が思ったように書けません。
 そこで、リフィルをゲル化します。といっても今回は大した事ありません。改造というのもはばかられるような簡単な作業です。初心者向け改造程度でしょうか?
 今回使用するのは、ぺんてる スリッチーズ用のリフィル BGR5 ブルーです。

20180828_muji_ohto_sliccies


 無印の元のリフィルと比べると、同じく Needle Point ですが、長さが 9 mmほど長いのと、スプリング止めのクリンプがありません。そこで、長さはリフィルの後ろを切るとして、クリンプをどうするかがポイントとなります。

 やることは簡単で、テープをクリンプがある同じ位置に巻くだけです。私は、アルミのテープを使ってます。アルミのテープは幅が 40 mm あるので、15 mm の長さに切って 40 x 15 mm の短冊にします。15 mm 幅のテープをリフィルに巻いてクリンプの代わりにするわけです。

20180828_sliccies_mod

 写真下が、スリッチーズ リフィルをカットしてアルミテープを巻いた改造後です。
 これで完成です。

 で、リフィル交換後ですが、

20180828_muji_after


見た目は変わりません。変わっても良いのですが、今回は交換前後で Needle Point と同じ形状だったので、変わりません。が、油性からゲルに変わったので、書き味は良くなりました。ペン先のコントロールも思ったようにできます。色もブルーにしたので、その点も好みになりました。

 以上の、長さ調整とバネ止め追加を応用すると、使う軸、リフィルの組み合わせが増えますので、可能性は広がるかと思います。

ダイソー万年筆のスタブ化 Ver.2

 以前、ダイソーの万年筆をスタブ化しましたが、筆跡の線の縦横差があまりないので面白みに欠けました。そこで今回は、さらにニブ先を研磨してペンポイントを全て削り落とし、カリグラフィーペン並みの縦横差の得られるスタブニブとしました。

20180728_daiso_stub2_01

 ペンポイントがなく、ステンレススチールの横長なペン先となっているのがお分かりいただけるでしょうか?

 真正面から見るとこんな感じです。平たいペン先には余計な(?)ペンポイントが付いておらず、潔くステンレススチールのみのニブとなっています。

20180728_daiso_stub2_02


真裏から見ると、このように横長の平たいペン先となっているのが更に分かりやすいかと思います。

20180728_daiso_stub2_03

 結果として、以前 0.7mm 程度だった縦線の線幅が 0.9mm 程度となり、より筆跡の横幅差が大きくなりました。カリグラフィーペンとして売られている万年筆のニブに近づいたかと。
 ペン先の研磨は入念に行いましたので、見てのとおり角ばった箇所はなく、滑らかなペン先に仕上がりました。書き味も、まったく引っかかりを感じず、Mニブで書いているかのような滑らかさです。

 なかなか良い万年筆に仕上がったかと思います。

ダイソー万年筆のスタブ化

 おなじみのダイソーで売っている万年筆です。
 これをスタブ化したので、その顛末を書きます。
 買ってきてそのままの書き味については、この固体が当たりだったのか、インクフローもよく引っかかりもなく滑らかに書ける、いかにも中字という感じの物でした。
 そのまま使っていれば良かったのですが、どうしても手を加えてしまいたい衝動に駆られてペンポイント(ニブの先の)の片側をラジオペンチで摘んでほんの少しだけ力をかけたらペンポイントがポッキリと折れてしまいました。私には右側だけ曲がっているように見えて、それを修正したかったのですが .....。
20180708_daiso00


 元々 100 円ですし、やってはいけないペンポイントをラジオペンチで摘んで力を掛けるなどということをしてしまったので、ここは「失敗を次に活かそう」と一旦ゴミ箱に投げ入れたのですが、はたとスタブにすることを思いついて、ゴミ箱を漁りました。

 よく見るとペンポイントにつけてある金属(イリジウムかどうかは怪しい)も若干残っていたので、これを活かす形でペン先を #800, #2000, #4000, #8000 の耐水ペーパー、ラッピングペパーを駆使して自分で納得できる程度に形成してみました。

20180708_daiso02

20180708_daiso01

20180708_daiso03
 こんな感じになりました。
 もっと削ってカリグラフィペンのペン先のように横幅の広いペン先にしても良かったかもしれません。

 書き味は、とりあえず元通りの滑らかさを取り戻せました。太さは、それほど太くもならず、スタブというほどの縦横差もあまりありません。
 罫線間隔 8mm の紙に書いています。

20180708_sho

20180708_sui

 一度はゴミ箱に行ってしまったダイソー万年筆の再生方法としては、悪くないかと。
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