ずっと放置しておりました。
飽きてしまったというのもありますが、これといったネタもないので書く気力も起きませんでした。が、ここへきて LAMY safari ballpoint の改造案を思いついたので、記録のためにも書いておきます。言わば、自分のための忘備録です。
今回のブツは LAMY safari ballpoint (ボールペン) です。
LAMY safari rollerball (refill は M63, M66)は、言っちゃなんですが、簡単に J,K,L 系の refill を入れられるので、改造というほどのことをすることもなく、私としては醍醐味を感じられません。一方、LAMY safari ballpoint は M16 という LAMY 独自仕様の refill を使っており、先の部分がJ, K 系より細く長い形状をしているため J, K 系の refill では safari の口金を通すことができません。下の写真の赤矢印で示した「肩」の部分が口金に入りきらないためノックしても refill のチップ部分が口金から出てこ無いのです。
口金の内部をドリルなどで削れば J, K 系を使えるのかもしれません(やったことはありません)。しかしながら、私の改造の縛りとしては「改造は可逆改造に限る」としています。すなわち、いつでも改造前のオリジナルの状態に戻せることを条件にしています。その理由はいくつかありますが、例えば、改造したけど改造後の状態が気に入ら無いので元に戻したい、とか、改造後により良い改造方法が見つかったので改造前の状態に戻してから再度改造したい、などです。という次第で口金の内部を削るという選択肢は取りません。
また、代替え refill として Pilot BRFN-30 を使えば口金を広げる必要なく LAMY M16 を置き換えられそうですが、BRFN-30 も油性インクであることに変わりはないので私の目指すゲル化とは異なります。
ということで、方向性としては、「口金そのものの置き換え」を考えていました。元の LAMY safari ballpoint の口金を外してそれは保管しておき、別の口金を使えば元の状態にいつでも戻せる、ということです。LAMY safari ballpoint を2本買ってその一本の口金の改造部品として使えば簡単なのですが、1,000円を超える本体を改造部品として追加購入するのは躊躇します。できるだけ安く改造するところに意味があるのです(たぶん....)。
という次第でずっと改造部品として適切なサイズの口金を探していたのですが、なかなか見つかりませんでした。細すぎず、太すぎず、安価でいつでも手に入るような口金。というかそのような条件に合う口金をもった安いボールペンをずっと探していました。
ところが、この条件に合うボールペンが 2021/11/5 に発売されていたのです。それがこれ、サラサナノ。
この口金であれば念願の LAMY safari ballpoint 改造に使えそうです。実際のところは口金の本体にはめ込む部分の形状を確認する必要があります。太すぎる形状はどうしようもないのでその時点で諦めますが、少々細い分にはなんとかできるという確信がありました。しかもひょっとすると口金部分が簡単に外せ無い構造になっていたりするとさらに厄介です。とにかく買って確かめるしかありません。お値段、定価で税込 220円。口金とリフィル代金だと思えば安いです。全く別のペンで交換部品として口金だけを 500円程度の値段をつけてたりしますので、それと比べれば十分安価と言っていいでしょう。
で、肝心の口金ですが、力を入れて左に回せば簡単に外すことができました。はめ込み部分の径も LAMY safari ballpoint よりもやや細くてちょうどよさそうです。これを LAMY safari ballpoint にはめ込んでいきます。
LAMY safari ballpoint に合わせるには、マスキングテープを一周分巻くとちょうど良い感じになりました。
余分なマスキングテープはカットします。
いよいよこの口金を本体にはめ込んでいきます。
とは言っても元々合わないものを無理矢理はめ込むので、キチンと入るとは言い難いですが、なんとかはめ込むことができました。
この状態で、口金は本体から 15mm 程度でています。この長さが LAMY safari ballpoint のオリジナル refill の口金の出ている長さと同じです。サラサナノでは口金は 14mm 程度出ているので、サラサナノに合わせるならもう 1mm 程度入れ込む必要があります。
次に今回使用する ゲル refill を用意します。今回は、Pentel EnerGel を使います。
J, K, L 系の refill をそのまま入れるには長過ぎるので、末端を切って短くする必要があります。私の好みのチップの出具合では 9mm 程度短くするとちょうど良いようです。長めに出るのが好みの方はまず 7mm 程度短くしてから後は好みに合わせて微調整していただくのがよろしいかと思います。
注意点がありまして、この口金のはめ込み具合が緩いとノックしているときに口金が外れてどこかに飛んで行ってしまう可能性があります。実際、ノックしているときに口金を飛ばしてしまったこともあります。また緩過ぎると口金が本体に入り込みすぎる可能性もあります。逆にキツ過ぎると元の口金を入れるために切ってある本体のネジが削れてしまって、元の(オリジナルの)口金がキチンと入らなくなり「可逆改造」から外れてしまう可能性もあります。無理せず適切なはめ込み具合を探りながらはめ込んで下さい。私も3回くらいはマスキングテープの巻き具合を調整しながら試行錯誤しました。
これで念願の LAMY safari ballpoint のゲル化改造完成です。見た目は少々違和感がなくもないですが、元々別のものを合体させているのでそこは妥協するしかないでしょう。クリップがシルバーの LAMY safari ballpoint を使えば見た目の違和感が和らぐかもしれません。LAMY safari ballpoint の "White" だとさらに違和感がなくなるかと。
見た目はさておき、これで J, K 系のゲル refill が使えるようになったので、私としては満足です。サラサ refill は当然のこととして使えますし(元がサラサナノの口金ですから...)、Pentel Energel refill, 三菱鉛筆 Uni refill なども使えます。
同じ理由(元がサラサナノの口金)で、Pilot の JUICE, JUICE up などの L 系 refill はそのままでは使えません。しかしながら、サラサナノの口金の系を精密丸ヤスリで広げれば Pilot の JUICE, JUICE up などの L 系 refill を使えるようにすることは可能です。サラサナノは元から交換部品として用意したものですので、ここに「改造は可逆改造に限る」という条件を課す必要はありません。部品はさらに手を加えて目的の仕様に近づければ良いのです。
以上ですが、同じ改造を試みて失敗しても私は責任を取れませんのでご注意ください。最悪の場合、LAMY safari ballpoint を一本無駄にしてしまう、くらいの覚悟でお願いします。